チョコレート嚢胞・卵管水腫の腹腔鏡下手術記録6(医師への意思表明の仕方)
第1 これまでのお話し
チョコレート嚢胞により右側の卵巣が9センチメートル、左側が5センチメートルに腫れたため、いろいろと考え、夫とも相談し、情報も収集したうえで、腹腔鏡下手術手術を受けることを医師に伝える日がきました。
第2 医師への意思表明の仕方
1 A4の紙1枚にまとめる
大病院の医師は、とにかく多忙です。
下手すると1000人単位の患者を扱っていることから、優しさとか忖度を期待しては一切だめです。
私の担当する医師は、1時間に10人の患者の予約が入っています。
つまり、私に割ける時間は、わずか6分。
通常は、超音波検査を受けるので、着衣をマッハで着替えたとしても、検査のためには、3分はかかります。
そうすると、私が医師と話せる時間は長く見積もっても3分。
ウルトラマンもびっくりです。
自分の苦しみや悩みを伝えることは諦め、手術の意向を伝えることに専念しました。
自分の意思をいかに短時間で、かつ、分かりやすく伝えるのかが勝負なので、A4の紙1枚に箇条書きに自分の希望を記載して、担当の医師に交付しました。
内容をざっくり述べると、
①挙児希望
②腸などに癒着があった場合は、先生に判断をお任せしたい
③手術の希望日程
です。
以下、その内容を記載します。
2 挙児希望
私には、幸いにも知人に産婦人科医がいました。
その方の話では、とにかく「挙児希望」は言っておいて損は無い、とのことでした。
「挙児希望」とは、子どもが欲しいという意味です。
私は、第4話で述べたとおり、子どもが欲しいかどうか分からないし、最優先を自分の命と考えていました。
子どものことは、手術後にゆっくり考えればいいや、と思っていましたが、担当の医師には、「挙児希望」と伝えました。
挙児希望については、きちんと伝えないと、病巣をがっつり取られるかもしれないからです。
もちろん、担当医師は、相談できる相手ではないので、「とりあえず」の部分は伏せました。
挙児希望を伝えると、医師は、妙に喜んでいました。
3 判断を任せる
知人の医師には、
「難しいことは分かりません。先生にお任せします。」
ぐらいの、へりくだりも必要だとの心構えも教えてもらいました。
手術中は、気絶しており、自分の意思なんて表明できないわけですから、一定の裁量を医師に委ねるのは当然のことでもあるのかもしれません。
開いたお腹を閉じて、意思確認後、再手術なんて全く望んでもいませんし。
また、腸などの癒着については、よく分からないのが本音です。
人工肛門になると大変だなぁとは思っていました。
まぁ、悩んでも仕方ないし、人工肛門になろうが、子宮や卵巣を全て失おうが、私は生きたいと思っていました。
これが、「いのちだいじに」作戦の真骨頂です。
次回は、「入院の際に準備したもの」です。
そろそろ、入院の話を書きたいので、次々回から、入院の話を書きます。